テクノロジーで、誰も取り残さない日本へ――新党「チームみらい」が目指す政治のカタチ

はじめまして、システムインテグレーターで趣味では生成AIを活用したサービス開発を楽しむTak@と申します。

このコラムでは、テクノロジーの力で政治をアップデートしようと立ち上がった新党「チームみらい」について、ソースの情報や私の視点を交えながらご紹介します。

なぜ、テクノロジーで政治を変えるのか

テクノロジーは、私たちの生活や社会を大きく変える力を持っています。しかし、日本の政治や行政では、その力が十分に活かされていない現状があります。

新党「チームみらい」を立ち上げたAIエンジニアの安野貴博氏も、この課題意識から自ら政治の世界に飛び込むことを決意しました。

安野氏はこれまで、GovTech東京の外部アドバイザーや、衆議院のAI推進法案に関する有識者として活動するなど、外部から政治や行政に関わる経験を積んできました。

その中で、デジタル技術が十分に活用されていない現場や、熱意がありながらも構造的な問題で改革が進まない状況、「永田町では議員でないと聞いてもらえない話がある」と感じる外部からの変革の難しさを肌で感じたと言います。

だからこそ、テクノロジーで日本を良くするための最短経路は、自ら議員となって永田町に入ることだと考えたのです。

「チームみらい」が目指す社会とテクノロジーの役割

「チームみらい」が掲げるのは、「テクノロジーで、誰も取り残さない日本をつくること」という目標です。

ここでいうテクノロジーは、難解な専門技術ではなく、「できなかったことをできるようにする」ための具体的なツールだと彼らは捉えています。

彼らは、テクノロジーを駆使することで、政治への参加を促し、国民一人ひとりの生活を改善し、未来を明るくすることを目指しています。

例えば、複雑な行政手続きを効率化したり、無駄を削減したりすることにもテクノロジーは役立ちます。

私自身も趣味でAIツールを作ることがありますが、アイデアが形になる瞬間は何とも言えない楽しさです。安野氏らは、メンバー自らが手を動かし、テクノロジーで政治をアップデートしていくことを目指すとしています。

AI時代の成長戦略と「1%の革命」

現在の政治議論は、お金の再分配に偏りがちで、未来の成長を生む議論が不足していると安野氏は指摘します。

物価高やインフレが進む中で、場当たり的な対応だけでは根本的な解決にならないからです。予測困難な時代だからこそ、必要なのは成長戦略と、変化に柔軟かつ迅速に対応できる社会システムです。

「チームみらい」は、AI時代にふさわしい成長戦略として、子育て、教育、科学技術への投資、新産業の育成、そして文化の振興を挙げ、これらを進めていく考えです。文化の振興は、AIが進化する時代でも人間が尊厳を持って生きるために重要だと彼らは考えています。

彼らは、こうした未来を作るための重点的な取り組みを「論点特化」した政党、「ポイントパーティー」として位置づけています。

安野氏は、この挑戦を「1%の革命」と名付けました。これは、新しいことにチャレンジする1%の人々が世界を変えるという彼の信念に基づいています。

昨年の都知事選で彼が得た約15万票(当時の都民の約1%)の支持が、彼の掲げた「ブロードリスニング」といったコンセプトを政治の世界に広げるきっかけになったという経験も、この考え方を後押ししているようです。

具体的な取り組み:永田町エンジニアチームと熟議システム

「チームみらい」が国政政党として要件を満たした場合、最初に取り組みたいことの一つが、政党交付金(年間1億円以上)を活用した「永田町エンジニアチーム」の設立です。

約10名の優秀なエンジニアやリサーチャーで構成されるこのチームは、政治のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するための活動を行います。開発した成果は全てオープンソースとして公開し、誰もが参加・貢献できるようにするとしています。

これは、行政が苦手とする不確実性の高いソフトウェア開発(アジャイル的な開発)を持続可能な資金(政党交付金)で、かつ政治の中心に近い場所で行うことで、「デジタル公共財」を生み出そうという考えです。

永田町にAIやDXの専門家を送り込むことは、国会議員の中にまだAIエンジニアがいない現状を変え、大きな違いを生むと安野氏は考えています。

さらに彼らは、デジタル民主主義2030プロジェクトで開発した「いどばたシステム」のような熟議ツールを活用し、オンライン上で国民が政策形成に参加できる仕組みを構築したいと考えています。

これは、多様な意見をAIが分析・整理する「広聴AI」と連携し、多くの国民が政治について共に考え、議論するプロセスを可能にする試みです。かつて、選挙期間中にAIが質問に答えるという試みもありましたが、これはさらに踏み込んで、国民の声を政策に反映させることを目指すものです。

政治を変える新たな波

「チームみらい」は、既存の政党にない「ユーティリティ政党」としての役割を目指すとも述べています。

これは、自らの政策推進だけでなく、他の政党の政策立案やテクノロジー活用、DXも積極的に支援していくという姿勢です。政治の世界の「硬直化しているシステムを進化させるきっかけになる」という期待も込めているようです。

もちろん、既存の政党とは異なるアプローチには困難も伴うでしょう。

組織票や後ろ盾がない中での挑戦は、「地盤もカンバンも鞄もない」状態だと安野氏自身が語る通りです。

しかし、テクノロジーの力を信じ、「皆さまと共に新しい未来を実現したい」という彼らの願い が、日本の政治に新たな風を吹き込む可能性を秘めていると言えるのではないでしょうか。

あなたは、テクノロジーにどのような可能性を感じますか?

そして、政治がテクノロジーによってどう変わっていくと考えますか?彼らの挑戦は始まったばかりですが、その動向は私たちの未来を考える上で重要な示唆を与えてくれるかもしれません。

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